サクソフォン奏者・山本直哉インタビュー「心に何が残るのかを感じてみて」
2024年7月5日(金)に開催される『信州音楽博覧会Op.1』。
長野の音楽家による本格的なコンサートシリーズの開幕を記念し、第1回コンサートの出演者の皆さんの人となりに迫るインタビュー企画です!
今回のインタビューは、サクソフォン奏者の山本直哉さん!!
山本さんは、長野県 東御(とうみ)市の出身。小諸高等高校、東京藝術大学で学び現在は様々な演奏会に出演したり、サクソフォンを教えたり、バリバリ活躍するサクソフォン奏者です。
それではさっそく
山本さん、こんにちは!今日は山本さんの人間性に迫っていきたいと思います。よろしくお願いします。
こんにちは!よろしくお願いします。お手柔らかにお願いします・・・!
プロのサウンドに射抜かれて
さっそくですが、山本さんとサックスとの出会いはいつですか?
小学5年生頃に学校の吹奏楽部にあったテナーサクソフォンを担当したのが出会いです。
元々音楽は好きでしたが、その時期に楽器を吹くのが好きになり、中学でも吹奏楽部でバリトンサクソフォンを担当しました。
小学生のころからサックス奏者!かっこいい・・・。では、吹奏楽きっかけで楽器を始めたんですね。プロの音楽家を志したきっかけはありますか?
きっかけとなる最初の出来事は、中学1年生の冬だったと思いますが、佐久平のホールで須川展也先生のリサイタルがあると、顧問の先生から教えられ、パートの皆で聴きにいきました。
最初に演奏されたのが、ソプラノサクソフォンで、ヨハン・セバスチャン・バッハ作曲の「G線上のアリア」。
力みの無い、ホールに広がる美しく澄んだ音に心を射抜かれ、直哉少年はバリトンサクソフォンを担当しているのを呪いましたが、そこからのめり込みました。
今でもその時の須川先生のお姿と音は脳に焼き付いています。
須川さんといえば、日本の誇るサックスのトッププレイヤー。長野でも毎年多数のコンサートがありますね!
演奏曲について
さて、山本さんは今回のコンサート、2曲演奏されますよね。
ピアノの梨本卓幹さんとは、ファジル・サイの「組曲〜アルトサクソフォンとピアノのための〜」という珍しい1曲を選ばれていますが、こちらの選曲理由を教えてください。
実はこの曲、初演をしたのが、作曲したファジル・サイご本人と須川先生で、当時その演奏を実際に聴いていました。
その時の印象として、ソリスト同士が、終着地まで高度なやり取りを繰り広げながら突き進んでいくイメージがありました。その時のファジル・サイのイメージと、梨本君が演奏している姿が重なるので、今回選曲しました。
ずばり、聴きドコロは?
ファジル・サイは、アグレッシブな演奏をするピアニストであり、またモーツァルトのトルコ行進曲をジャズ風にアレンジしたなど作品で有名な作曲家でもあります。今回演奏する「組曲」の聴きどころはどういったところでしょうか?
陽 か 陰 で言えば “陰” の空気がこの曲全体に漂っています。その中で明るさや熱気、深淵を覗くような暗さ、感情が曲毎に書かれています。作品の冒頭で演奏されるモチーフが作品の1番最後にも現れ、消えて行くように曲が閉じる、というのも特徴的だと思います。
この作品を通して聴いていただいたとき、心に何が残るのか。それを感じてみていただきたいです。作品がそれを求めているように思います。
・・・聞きどころというか、”聴き方”かな?
なんかかっこ良さげなことを書いてここは終わりにします。
ミステリアスですねぇ!こうした比較的新しい作品というのは、演奏者にとっても挑戦であることが多いもの。地元長野の舞台で、ここでしか聴けない作品を選ぶとは、山本さんの攻めの姿勢が期待度を上げます!
そして山本さんはもう1曲、ピアノの深沢雅美さんとチェロの小島遼子さんとメンデルスゾーンのピアノ三重奏曲第1番(第2・4楽章)を演奏されますよね。
そうなんです、深沢さんからお声がけいただいて共演できることになったのですが、この曲は元々ヴァイオリンとチェロ、ピアノのために書かれた曲なので、最初は「サクソフォンで良いのですか!?」と驚きました。笑
ヴァイオリンのパートをサクソフォンで演奏する。こちらも楽しみです!お二人とは今回初共演ということですが、どんな印象ですか?
深沢さんは母校である、小諸高等学校音楽科のピアノの講師を務められていて、私のサクソフォンの先生、小山弦太郎先生との共演を沢山聴かせていただいておりました。
小島先生とは、違う演奏会の際に、共演は無かったものの、同じ舞台で演奏させていただいておりました。ですので、今回「初めまして」のご挨拶からリハーサルが始まりました。
この長野の舞台で共演できる、というご縁、大変嬉しく思っております。
まさに、演奏家同士が出会って音楽を生み出す、「信州音楽博覧会」にピッタリのメンバーですね!
最後に、長野のみなさんへメッセージをお願いいたします!
信州音楽博覧会は、今回お呼びいただいた立場ではありますが、今までになかった、北信、東信、中信、南信全ての地域、“長野県”から育った音楽家が登場する演奏会になって行くんだろうなと思っています。
今後皆で応援し、応援される演奏会となる、最初のステージに立たせていただけることを光栄に思います。
是非!聴きにいらしてください!
まとめ
さて、いかがでしたか?
山本さんの優しさと、その陰にひそむ暑いパッションを感じていただけたのではないでしょうか?
ぜひコンサートにて山本さんのサウンドを感じていただければと思います。
山本直哉
YAMAMOTO Naoya
Saxophone
長野県東御市出身。長野県小諸高等学校音楽科、東京芸術大学で学び、高校在学中に第8回くらしきジュニアサクソフォーンコンクール2位受賞。長野県新人演奏会に出演。第9回サンハート・アンサンブル・オーディション室内楽の部で優秀賞受賞。 サクソフォーンを小山弦太郎、大城正司、林田祐和、須川展也、室内楽を有村純親、林田祐和の各氏に師事。 アンサンブルノワイエメンバー。 東京サクソフォーンオーケストラ副団長。ヒオキ楽器上田店、美鈴楽器、山野楽器各講師。
信州音楽博覧会 Op.1
【期日】
2024年7月5日 (金) 開演18:30 (開場18:00)
【会場】
長野市芸術館リサイタルホール
【出演】
梨本卓幹
【料金】
一般:3000円、学生2000円