2024-06-03

チェロ奏者・小島遼子 インタビュー「コンサートをきっかけに私達演奏家の想いを繋いで」

2024年7月5日(金)に開催される『信州音楽博覧会Op.1』。

長野の音楽家による本格的なコンサートシリーズの開幕を記念し、第1回コンサートの出演者の皆さんの人となりに迫るインタビュー企画です!

今回のインタビューは、チェリストの小島遼子さんです!!

小島さんは、長野県 長野市出身。国立音楽大学、洗足学園音楽大学大学院で学んだ後、現在は長野県内を中心にフリー奏者としてソロ、室内楽、オーケストラなどの活動、さらに先生としての活動にも力をいれていらっしゃいます。

それではさっそく

小島さん、今日はインタビュー、どうぞよろしくお願いします!

よろしくお願いします!

音楽に触れたきっかけ

まずは、小島さんが音楽に触れたきっかけを教えてください。

母がソプラノ歌手なので小さい頃から音楽は日常にありました。

ピアノも3歳から習っていましたが、そのときは特に音楽家になろうという明確な夢があったわけではなかったと思います。

音楽が家にある家庭で育ったのですね!チェロを始めたのはいつでしょう?

中学の頃。部活で始めました。

私の出身中学、柳町中学校には、長野県の中学で唯一の弦楽合奏の部活「室内楽部」があります。当時、私は弦楽器が弾けたらかっこいいなという理由で入部したのですが、顧問の先生に「あたなは背が高いからチェロをやってほしい」と言われ、この一言で将来が決まりました(笑)

運命の一言ですね!そのときからチェリストになろう!と決めていたのですか?

その時はチェリストになる!という目標があったわけではないんです。本格的に目指したのは高校生になってから。中学3年間で終わるのはもったいない、もっと勉強してみようという思いから音楽の道に進もうと決めました。

聞きどころ

今回小島さんが演奏される曲について教えてください!

ピアノの深沢雅美さん、サクソフォンの山本直哉さんとは、通称”メントリ”と呼ばれ、ピアノトリオの中でも非常に人気のある曲、メンデルスゾーンのピアノ三重奏曲第1番から第2・4楽章を演奏させていただきます。

印象に残るメロディーがそれぞれのパートに出てくるこちらの曲ですが、やはりオリジナルのヴァイオリンパートを山本さんがサクソフォンで演奏されるのがポイントです。弦楽器とはまた違った、深い音色や力強い響きを持ったサクソフォンの音、そしてピアノとチェロとの調和を聞いてほしいと思います。

2楽章の美しい旋律、4楽章の華やかな音楽をお楽しみください。

ピアノとチェロ、そしてサクソフォンの3人で奏でられる響き、楽しみです!小島さんは今回、もう一曲、深沢さんとの二重奏で、20世紀スペインのチェリスト/作曲家のカサドの作品も演奏されますよね。

はい!そうなんです。

カサドの「親愛なる言葉」という作品を演奏します。このタイトルは、彼の師であるチェロの名匠カザルスに向けられたもので、情熱的な曲調やチェリストの作曲ならではの技巧が聞きどころです。

「白鳥」やバッハの「無伴奏チェロ組曲」などのゆったりとしたチェロの名曲と180度違う疾走感のある演奏をお楽しみみください。

共演者の印象は?

さて、お話にも出ていますが、今回はピアノの深沢雅美さん、サクソフォンの山本直哉さんと共演されます。お二人とのコンビネーションはいかがですか?

深沢さんは柳町中学の先輩になる方で、これまでも何度かご一緒させていただいてきました。

最初に演奏させていただいたのは大学生の時の発表会だったと思います。いつも華やかなピアノに魅了されていますし、今回も合わせの時から楽しく演奏させていただいています!

山本さんとは今回が初めての共演になります。同じ長野県出身で、お名前は存じていましたし、共演できる機会が巡ってくるのをとても楽しみにしていました。

山本さんのサクソフォンは繊細さと力強さを併せ持った音色が魅力的です!

旧知の仲の深沢さん、そして初めましての山本さん。いろんな音楽家同士が出会うことで新たな音楽が生まれていく・・・ロマンチック!!

想いを繋いで

今回のコンサート、意気込みなどありますか?

新しく始まるプロジェクト「信州音楽博覧会」。

このコンサートに出演させていてだくことに感謝をしています。若い世代の人たちにもこのコンサートをきっかけに私達演奏家の想いを繋いでくれると嬉しいです。

メッセージをどうぞ!

コンサートには若い世代の方、小中高生もいらっしゃると思います。せっかくなのでそんな皆さんに向けてメッセージをお願いします!

大学院卒業を控えた頃から、自分は長野に帰って演奏活動や指導をしたい!と思っていました。

地元に愛着があるから、というのはもちろんですが、育ててもらった場所に恩返しがしたかったからです。大学生からお世話になっている地元のオーケストラ、アンサンブルNOVA、チェロと出会わせてくれた柳町中学校、なにより音楽の道に行くことに協力してくれた両親に感謝しています。

今はそんな感謝を胸に、母校、柳町中学で室内楽部の顧問を、アンサンブルNOVAでは団員として演奏する傍ら「NOVAキッズオーケストラ」という、部活の地域移行した団体で、毎週小学生から高校生まで指導しています。

これからも、長野に未来の音楽文化を担ってくれる若い人たちを育てていきたいと活動しています。

長野に音楽、芸術がもっと普及することを願って。

柳町中学校 室内楽部で指揮をする小島さん(中央)

ぜひ会場へ!

小島さんでした。ありがとうございました!

感謝を胸に。かつて小島さんが音楽と出会った場所で、今小島さんは活動されているんですね!

皆さんにもぜひ、コンサートで音楽と出会ってほしいなと思います!

小島遼子

KOJIMA Ryoko

Cello

長野市出身。柳町中学校室内楽部にてチェロを始める。 国立音楽大学演奏学科チェロ専攻卒業。洗足学園音楽大学大学院研究科修了。 チェロを宮澤等、北沢加奈子、藤森亮一、北本秀樹の各氏に師事。 オーケストラensemble NOVA所属。 八十二文化財団ロビーコンサート、松代文化ホールワンコインコンサート、信濃毎日新聞社ロビーコンサートに出演。 2011年、2013年にコンチェルトのソリストとしてオーケストラensemble NOVAと共演。 2014年に須坂メセナホールオーケストラにてブルッフの「コル・ニドライ」を共演。 2015年に長野市交響楽団にてエルガーのチェロコンチェルトを共演。 2017年に長野と東京にてソロリサイタルを開催。 2018年に長野高校管弦楽班とハイドンのチェロコンチェルト第1番を共演。 柳町中学校室内楽部顧問。現在、長野県内を中心にフリー奏者としてソロ、室内楽、オーケストラなどの活動を行っているほか、後進の指導にも当たる。

信州音楽博覧会 Op.1

【期日】
 2024年7月5日 (金) 開演18:30 (開場18:00)
【会場】
 長野市芸術館リサイタルホール
【出演】
 梨本卓幹
【料金】
 一般:3000円、学生2000円

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