2024-06-02

ピアニスト・梨本卓幹インタビュー「音で会話をしながら音楽を構築していく臨場感を味わって」

2024年7月5日(金)に開催される『信州音楽博覧会Op.1』。

長野の音楽家による本格的なコンサートシリーズの開幕を記念し、第1回コンサートの出演者の皆さんの人となりに迫るインタビュー企画です!

今回のインタビューは、今回の主催者でもあるピアニストの梨本卓幹さん!!

梨本さんは、長野県 千曲(ちくま)市出身。東京音楽大学付属高校、東京藝術大学で学んだ後、ハンガリー国立リスト音楽院へ。3年間の留学を終え、現在はソロもアンサンブルも編曲までも!と幅広く活躍するピアニストです。

それではさっそく

梨本さん、今日は梨本さんの魅力に迫るインタビューをしていこうと思います!

がんばります!

アンサンブルが好きなのは子どもの頃から

現在、数多くのコンサートを抱える梨本さんですが、ピアノを始めた頃のことは覚えてますか?

3歳のときヤマハのピアノ教室でピアノを始めた、と聞いています。

どういう気持ちでピアノを始めたのかは、もはや覚えていませんが、でも同年代の子たち3〜6人くらいが集まって一緒にレッスンを受けるグループレッスンがとても楽しかったのは覚えています。エレクトーンに一人ずつ座って、みんなで教本の曲を一緒に演奏したり歌ったり、というのが本当に大好きでした。今思うと、アンサンブルが好き!という気持ちはこの頃から来ているんだと思います。

左:梨本卓幹さん / 右:山本直哉さん

そんな小さい頃から既にアンサンブルの才能を磨かれていたんですね!

ただただ、楽しくやっていただけなので、磨いていたかどうかは・・・?

まぁでも、その曲のCDを聴きまくったり、自分のパートじゃないところも弾いてみたり、一生懸命だったのは確かだと思います。

長野で演奏する喜び

今回の「信州音楽博覧会 Op.1」でも梨本さんはたくさんの共演ステージがあると伺っています。

そうなんです!

サクソフォンの山本直哉くん、バリトンの高橋宏典くん、ソプラノの傳田美咲さんの3人とそれぞれ共演します。3人とは学年も同じなので学生の頃からお互いに刺激を受けて与えてがんばってきた大切な仲間という関係でもあります。だからこそ、こうして地元で一緒に演奏できる喜びは大きいです。

「地元」で演奏できる喜びですか!

はい、僕は高校生のときから東京へ出ていってしまったのもあって、長野で演奏会を開くというのはどこか「成長して帰ってきたよ!」というような気持ちが湧いてきてしまうものなんです。今は長野に住んでるんですけどね笑

もちろん、家族はじめたくさんのお世話になった人がいるのが地元。そんなみなさんに、自分が本気で取り組んでいる音楽を届けることができること、これが何より幸せなことだと思います。し、そうやって地元に音楽を届けることが一つの使命かなと思っています。

梨本卓幹の写真. photo of Takumi Nashimoto.

音楽は会話

梨本さんにとってアンサンブルにはどういった魅力がありますか?

ピアニストは、基本一人。孤独なんです。

練習は一人、演奏をどうするか決めるのも一人。本番では広いステージにただ一人・・・。中学生のとき、帰宅部だった梨本少年は、吹奏楽部や合唱部にとても憧れたのを覚えています。笑

もちろん、一人だからこそ、自分の世界を深く色濃く築くことができますし、ソロのヒリヒリ感は、それはそれで楽しいんですが、誰かと一緒に演奏するからこそ得られる喜びというのがあります。

一緒に音を出して、一緒に悩んで、たまに喧嘩して、でも本番ではお互いに信じ合ってステージに立つ。そうした、音楽を通じて行われる「会話」の先に、自分一人では思いつかない世界にたどり着くことができる。そんな素晴らしい体験をできるのがアンサンブルの魅力です!

ハンガリーと日本、コンサートの違い

ちなみに梨本さんはハンガリーに留学されていましたよね。ハンガリーと日本のコンサートの違いみたいなものはありますか?

なかなか深い質問ですね・・・。

コンサートの「気軽さ」が違う、と言えるかもしれません。

気軽、ですか。

日本だと、コンサートってなんとなく、いい服を着て、お行儀良く!演奏中動いてはいけないし曲について勉強しておかないといけない!みたいなイメージありませんか?そんな必要はないのに、なんだか過剰に覚悟がいる=敷居が高く、お堅く感じてしまう、そんな部分があると思うんです。

ハンガリーでも、着飾ってお行儀よく、というのはありますが、でもそれが窮屈な感じではなく、すごくゆったりとした雰囲気をまとっているんです。純粋に音楽を、もしくは「音楽が奏でられる場や時そのもの」を楽しむような気軽さがあるのではないかなと。

ハンガリーでのコンサートの一幕

もちろん、クラシック音楽というのは伝統芸能、芸術なので、知識があればあるほど、楽しめるポイントは広がるものです。そこが良さ。でも、逆に何も知らなくても、雰囲気で楽しめるっていうのもクラシック音楽の良さだと思うのです。

だから、普段全然クラシックを聴かない人が「なんかおしゃれな気分になりたくて」とか「ちょっとデートで雰囲気を良くしたくて」とか、そんな気軽な感覚でフラッと来ていただけるコンサート文化ができたらいいなぁ、って思っています。

・・・まぁ、演奏者は全く気軽ではないんですけどね笑 常に100%、いや、120%の命を捧げてステージに立っております!!

そんな100%、120%の熱意がクラシック音楽のあの空気感を作り出しているんですよね。

ズバリ聴きどころは?

新シリーズとして始まる今回のコンサート。梨本さんの思う、聴きどころを教えてください!

今回は素晴らしい面々が集まっていますので、いろんな楽器、いろんな人によるいろんな演奏を楽しめる、というのが一つ大きな魅力かなと思います。

そして、個人的にぜひ楽しみにしてほしいのはアンサンブルの白熱感です!

悲しいことにアンサンブルでのピアノは、ただサポートしているだけ、と言われてしまうこともありますが、とんでもない!ステージ上では、共演者同士がものすごい勢いでお互いの意思・音楽をスパークさせています。相手がどう出るか、自分がどう出るか。会場の雰囲気や響きによってもどんどん変化していきます。

そうやって音で会話をしながら音楽を瞬間瞬間で構築していく臨場感を味わってもらえたら嬉しいです。

長野を盛り上げるエキサイティングなコンサートを!

最後に「信州音楽博覧会」について、改めてお聞かせください。

長野にはたくさんの素晴らしい音楽家がいて、それぞれに日々活動を送っています。そんな彼らが、普段は一緒にならない我々が出会って、一緒に音楽を奏でたら楽しいんじゃないか!

というのがこのコンサートが生まれたきっかけです。

音楽という会話を通して、それぞれの人生が混ざってぶつかって、そして新たな音楽を生み出すという、エキサイティングなコンサートが長野にあったらぜったい楽しい!と思って企画しました。そうやってクラシック音楽界を盛り上げたい!盛り上げるんだ!というのが、このコンサートの根幹にある一つの大きな目標です。

なので、ぜひ我々長野県の音楽家がこれから切り開いていく新たな音楽会の第1歩を会場で感じていただけたらと思います!!


ぜひ会場へ!

梨本さんの熱意のこもったインタビュー、いかがでしたか?

コンサートでも、ぜひこの熱意、パッションを会場で体感していただければと思います!

梨本卓幹

NASHIMOTO Takumi

Piano

ノアン・ショパン・コンクールinJapan第2位。 ソロはもちろん、管弦打楽器、歌、ピアノなどとのアンサンブルに加え、即興演奏や作編曲、現代アートとのコラボ、更にオフィス・クルテの代表として自身でも演奏会を企画するなど、幅広く活動している。1stアルバム『言の葉Music』でCDデビュー。千曲市出身。東京藝術大学卒業。ハンガリー国立リスト音楽院にて修士号及び国家演奏家資格を取得。2022年度より銘楽堂支援アーティスト。

信州音楽博覧会 Op.1

【期日】
 2024年7月5日 (金) 開演18:30 (開場18:00)
【会場】
 長野市芸術館リサイタルホール
【出演】
 梨本卓幹
【料金】
 一般:3000円、学生2000円

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