2024-11-12

【終演レポート】信州音楽博覧会Op.1 -長野の新たなコンサートシーンの開幕

長野県の音楽家による新たなコンサートシリーズ、と銘打った『信州音楽博覧会』の第1回公演が2024年7月5日、長野市芸術館リサイタルホールで開催されました。様々なクラシック音楽家の組み合わせが楽しめるこれまでにないコンサートとして注目された本公演の様子をレポート形式でお伝えします。

信州音楽博覧会第1回公演の出演者による集合写真
左から梨本卓幹、深沢雅美、傳田実咲、小島遼子、山本直哉、高橋宏典(敬称略)

信州音楽博覧会とは

長野で生まれた音楽家、長野で育った音楽家、長野を愛する音楽家。
長野県にはたくさんの音楽家がいます。楽器も年代も性格も様々な音楽家たちは、それぞれの人生の中で巡り合った、様々な出会いや経験を胸に音を奏でています。

そんな長野の音楽家が共に奏でる音楽は、きっとワクワクしてしまう。

長野に育った演奏家たちが出会うことで生まれる音楽を聴いてみたい!!

長野のクラシック音楽は、もっとワクワク、ドキドキしていける!!

これは、きっと生まれる新たな音楽を求め、長野県の音楽家が贈る、長野県のクラシックコンサート。

信州音楽博覧会バナー

第1回公演 – Op.1

この信州音楽博覧会では第⚪︎回公演、という部分をクラシック音楽の作品番号を表す「オーパス(Opus)」で表しています。

第1回公演、すなわちOp.1(オーパス・ワン)では、長野県内外で活躍する長野県の音楽家6名が出演しました。

まず最初に、プログラムにない深沢雅美さんと梨本卓幹さんの登場。連弾でチャイコフスキーの『眠れる森の美女』より「ワルツ」が演奏されました。

深沢雅美さん(手前) & 梨本卓幹さん(奥)

お二人のトークでこのコンサートの説明や、今後の長野県の音楽界への期待といった願いが語られ、バトンは深沢雅美さんとチェロの小島遼子さんへ。

中学校の先輩後輩というお二人による息のあった演奏によってスペインのチェリスト/作曲家であるカサドの『親愛なる言葉』が演奏されました。

ピアノ:深沢雅美さん、チェロ:小島遼子さん
チェロを弾く小島遼子さん

情熱的な演奏に続き登場したのはソプラノ歌手の傳田実咲さん。

モーツァルトの人気オペラアリア、「夜の女王のアリア」を華麗に歌い上げます。

ソプラノ:傳田実咲さん

そして、傳田さんと入れ替わり登場したのは、バリトン歌手高橋宏典さん。

ガスタルドンの『禁じられた音楽』を歌い、会場を惹きつけます。

バリトン:高橋宏典さん

複数人の音楽家が登場するクラシックコンサートというのは多数ありますが、こうして歌もあり器楽もあり、というコンサートは実はレア。それもこの「信州音楽博覧会」の良さです。

そして前半最後はサックスの山本直哉さんとピアノの梨本卓幹さんによるデュオ。ジャズのようなクラシックで有名なピアニスト/作曲家のファジル・サイ作曲『組曲〜アルトサクソフォンとピアノのための』が演奏されました。こうした普段なかなか出会えない作品を聴けることも、この信州音楽博覧会の魅力です。

ピアノ:梨本卓幹さん、サクソフォン:山本直哉さん

休憩を挟んで、後半がスタート。

曲はメンデルスゾーンのピアノ三重奏曲第1番から第2・4楽章。この曲はピアノ・ヴァイオリン・チェロのために書かれた作品ですが、今回は深沢雅美さんのピアノ、小島遼子さんのチェロ、そして山本直哉さんのソプラノサクソフォンというスペシャルな編成での演奏となりました。

ソプラノサクソフォン:山本直哉さん、ピアノ:深沢雅美さん、チェロ:小島遼子さん

普段一緒に演奏しない演奏家同士がこのコンサートのために集い、共に音楽を奏でる。そうした”出会い”によって生まれてくる新しい”音”の魅力を感じることのできるプログラムでした。

そしてコンサートは残すところ歌のお二人と梨本さんによるオペラやカンツォーネのコーナーへ。

トークする3人。左から高橋宏典さん、梨本卓幹さん、傳田実咲さん

モーツァルトの歌劇『ドン・ジョヴァンニ』より二重唱「お手をどうぞ」に始まり、ヴェルディの歌劇『リゴレット』からソプラノ・アリア「慕わしい人の名は」、ジョルダーノの歌劇『アンドレア・シェニエ』のバリトン・アリア「祖国の敵」が続けて歌われます。

歌と共にピアノを奏でるのは梨本卓幹さん

コンサートの最後は、ソプラノ:傳田実咲さん、バリトン:高橋宏典さん、ピアノ:梨本卓幹さんによる喜歌劇『メリー・ウィドー』より「唇は黙して」でした。

メリー・ウィドーの一幕。

いかがでしたでしょうか

こうして大々的に始まった『信州音楽博覧会』。今後も続いてゆくこのコンサート、今回コンサートに行けなかった方も次回以降、ぜひお越しいただければと思います。

さて、そんな信州音楽博覧会ですが、第2回公演が決定しております。

登場するのはヴァイオリニストの跡部愛音さんとピアニストの神林杏子さん。

Op.1では6名の演奏家が集いましたが、Op.2以降はそれぞれの演奏家による音楽をより深く広く楽しんでいただけます!

左:神林杏子さん、右:跡部愛音さん

詳細につきましては、今後の発表をお楽しみお待ちください!

信州音楽博覧会 Op.2

長野で生まれた音楽家、長野で育った音楽家、長野を愛する音楽家

長野県の、楽器も年代も性格も様々な音楽家たちが贈る、「新たな出会い」の音楽会。

それぞれの音楽が出会うことで生まれる新たな音楽を、きっと生まれる新たな音楽に出会える、博覧会のような音楽会。

◆日程◆
 2025年4月12日(日) 14:00-

◆会場◆
 長野市芸術館 リサイタルホール

◆出演◆
 ・神林杏子(piano)
 ・跡部愛音(violin)

◆チケット◆
 2024年12月1日10:00より長野市芸術館チケットセンターにて発売開始!

◆公式HP◆
 信州音楽博覧会 特設サイト https://office-korte.com/shinshu-hakuran/

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